空飛ぶ親指シフト
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試験に出る親指シフト

親指シフトはいかにして愛を伝えるか

開発者が教えてくれる親指シフト

ようこそ、親指シフトマニアの迷宮へ。

「試験に出る親指シフト」、今回はこれまで書いてきたことの復習編として、

あらためて

親指シフトって何?

みたいなことを書いていきたいと思います。

じつはShiftじゃなかった親指シフト

「親指、シフト一回だけの法則」というものがあります。

親指シフトでは、一度押したシフトキーが文字キーにたいしてシフトをかけらるのはただ一回だけになります。

NICOLAでいうと「あ」と「な」はどちらも左サイドのシフト側に割りあてられた「かな」です。でも、「~なあ」と打とうとしたとき、左親指キーを押しっぱなしにして「な」と「あ」をつづけて打つことはできません。「な」と打ったあとに一回親指を離さなければならないのです。

これが「親指、シフト一回だけの法則」です。

え? それ不便じゃね、と思いませんか。

シフトキーを押しっぱなしにして、「~なあ」と打てた方が便利じゃないか、そう思いませんか。

しかし残念ながらできません。この点が親指シフトのウィークポイントといえば、ウィークポイントかなあと思います。

それはともかく

古典的なShiftキーならキー押しっぱなしにして文字入力できるのに、親指シフトではできない。これが何を意味するかお分かりになりますか。

そうです。親指シフトってじつは

Shiftじゃなかった

ということですね。

シフトっていったくせにウソつきー、

と、私に言われても困ります。

なぜ親指シフトと名付けたのか、ほんとうの理由は開発者でないとわかりません。しかし、おそらくさいしょに学会で発表した1970年代後半、当時はキーボードじたいが一般的でない時代だったので、一番理解が得られやすい用語として「シフト」という言葉を選択したのではないかと思います。

もし、これをただのシフトではなく、たとえば

親指ツーウェイ(相互)フィックス・シフト

などと言ったら現代でも友達失いそうな勢いですが、

キーボードそのものが非日常だった1970年代後半に

親指ツーウェイ(相互)フィックス・シフト

などと学会で口走ろうものならおそらく80秒後には会場から人がいなくなっていたことでしょう。

というわけで親指シフトキーボードという名称は正確ではないものの穏当であると、個人的には思います。

ですが、

シフトではないにもかかわらず「親指シフト」と名乗ってしまったばかりに、

おかしいじゃないか、シフトキーなのになぜ押しっぱなしで文字が打てない? 不便じゃないか、という意見が1980年代よりあったようです。

しかしこれは親指シフトキーボードの設計方針でもあったのです。

親指シフトの生みの親・神田泰典さん

富士通の神田泰典さんは日本語ワードプロセッサOASYS、そして親指シフトキーボード開発チームのリーダーだった方でした。

神田泰典さんは良心的な技術者でもあり、親指シフトキーボードの設計からはじまって広い意味で日本語情報処理の黎明期における文献などを、自らのサイトで画像やテキストの形で公表しておられました。

神田泰典さんのサイト自体は2023年現在はもう閲覧することができないのですが、幸いなことにもとの論文が掲載された誌名なども併記しておられたので、ネット上で、あるいはほかの手段で(例えば国立国会図書館などを利用して)確認することも可能です。

以下で引用するのは昭和54年(1979年)情報処理学会第20回全国大会で発表され、神田泰典さんを筆頭に富士通・親指シフトキーボード開発陣の連名のある論文・「親指シフトキーボード」です。

論文には基本的な「かな」入力方法について説明、つまり文字キーを単独で打ち込むか、あるいは文字キーと同じ側の親指キーを同時打鍵(同手シフト)して文字を打ち込むか、などの説明のあとで、「シフトキーの打鍵のタイミング」についての記述があります。

引用します。

情報処理学会より

「親指シフトキーボード」昭和54年(1979年)情報処理学会第20回全国大会より

1979年といえば日本語ワードプロセッサOASYS100及び親指シフトキーボードが発売される前年ですので「押え続けを無効にした」ことが親指シフトキーボードの設計方針であったことがわかります。なぜ「押え続けを無効にした」かといえば「誤打鍵が生じることが多い」からである、と。

どういうことでしょうか。

試験に出る親指シフトのページをすでに訪れている方なら、答えをご存じかと思います。

親指シフトは文字キーの先行入力を許容するから、ですね。

はい、それではいつものように、決め手のあの言葉を打ち込んでいきましょう。

いかにして愛を伝えるか

NICOLA配列で「愛」(あい)という文字を打ちこみます。

「愛」、大切ですね。

という話は置いといて

まずは復習です。NICOLAで「あ」は左親指キーと[S]キーの同時打鍵、そして「い」は[L]キーの単独打鍵でした。

具体的なレイアウト

いつものように[S]キーがちょっとだけ先に押された場合を考えてみます。直後に左親指キーが押されて同時打鍵状態になりました。

「あ」打鍵時の状態

この状態で[S]キーだけが離されたとします。

するとそのタイミングで「あ」の入力が確定します(確定したとします)。けれど押された左親指キーが離されないうちに、つづけて[L]キーが押されたとしたら、どうでしょうか。

「あ」の直後に[S]キーを押下した時の状態

[L]キーが押された時点でふたたび同時押し状態になっています。

上図のような例は、親指シフトに慣れてタイピングが速くなってくるとけっこうふつうにありえる現象です。

でも、同時押し状態になったとしても「親指、シフト一回だけの法則」が適用されて、左親指キーと[L]キーの同時打鍵が成立することはありません。

そのまま「い」が入力できます。([L]キーが離されないうちに右親指キーを押したりしなければ、の話ですが)

つまり

「あい」です。

よかったですね。

どうやらこれで無事に愛を伝えることができそうです。

そのあとのことはわかりませんが。

さて、それでは「親指、シフト一回だけの法則」を外して、シフトキーの押しっぱなしを有効にしたらどうなるでしょうか。

ほんとうは単独打鍵になるはずの[L]キーと左親指キーの同時打鍵が成立していまい、「ぽ」になってしまいます。

つまり「あい」ではなく

「あぽ」

「あぽ」と誤入力

危険です。

これではうまく愛は伝わりそうにありません。

でも

ジャイアント馬場さんには伝わるかもしれません。

それはともかく

「親指、シフト一回だけの法則」が親指シフトキーボードの設計思想だということが理解していただけたでしょうか。

************************************

神田泰典さんを筆頭にした当時の富士通技術陣の判断、

それは

シフトキーを押しながら文字入力できるといった表面的な便利さを採って、親指シフトとしての安定度、精度を犠牲にしてしまったら本末転倒である、

ということだったと思います。

いま打った文字キーはシフトありなのかシフトなしなのか、これをきちんと峻別することが親指シフトの根幹なのだから、道具としてはそちらを優先しましょうという考え方です。これはまったく正当だと思います。

道具としての根幹を崩してしまうと、「なんでもありのカオスのような状態」になってしまいます。というか、すでに「なんでもありのカオスのような状態」になってしまっているようです。

ただ、ここで改めて親指シフトキーボード開発者、神田泰典さんの論文を引用したのは

「親指シフトとは本来こういうものですぅー」

ということを言いたかったわけではありません。

そうではなく、親指シフトだろうとローマ字入力だろうとJISかな配列だろうと、

もっといえばアメリカ人が英文をタイプするときであろうと、

わざわざミスタイプを誘発する環境に近づける必要は、1ミリもないですね、

とう話です。

たとえば

[A]キーのつもりで打ったとき

「うーん、だいたい[A]になるんだけれど、場合によっては[B]かもね」

と言われたら、ダイビングした姿勢のまま床の上を滑りますよね。

そういうキーボードがあったとしても、特殊な趣味をお持ちの方とか、やおもちゃとして使う方を別として、仕事道具としてはあまり身近に置いておきたくないですよね。

これを親指シフトの側に引き寄せていうと、

キーをシフトなしのつもりで打ったとき、

「うーん、だいたいシフトなしなんだけれど、場合によってはシフトありかもね

と言われたら、やっぱり床の上を滑るわけです。

連続シフトを試してみた件

ネット上ではシフトキーの押しっぱなしを前提とした「かな」配列(といっても私が知っているのは「飛鳥」くらいですけど)が提唱されていたり、その配列を実装するソフトやアダプターも存在します。私も使わせてもらったことのある配列変更ソフトの「やまぶき」や配列変更アダプターの「かえうち2」なんかがそうですね。

「かえうち2」(左側)はふつうにNICOLAとして使うには十分な感じがしました。でも、わたしの(超)個人的な用途には合わないようだったのであまり使い込むことはなく、現在は疎遠になっています。

だいぶ前の話になりますが、連続シフト、というか、シフトキーの押しっぱなし入力を有効にするとどんな感じになるのか、NICOLAで試してみたことがあります。

使用感をいうと、わりと短めの文章をゆっくりと打つぶんにはふつうのNICOLAとあまりかわらないなあ、という印象を持ちました。このあたりは作者の方の工夫と努力に敬意を表したいと思いました。

でもある程度まとまった文章をポンポン打ちこむと、やはりふつうのNICOLAでは絶対にありえないような誤判定(シフトしていないのにシフトがかかってしまう「あぽ」現象)にけっこうな頻度で遭遇し、あわてて設定を元に戻したことがあります。正直これは親指シフトとは違う世界だなあ、という実感でした。

結論をいえば、いまから半世紀近くまえ親指シフトキーボード開発陣がくだした判断はやはり的確なものだった、ということですね。

つまり

シフトキーの押しっぱなしによる文字入力は少なくともNICOLAではアウト、どうしてもしたいのならあくまでもご趣味としてどうぞ、みたいな世界です。

もちろんこれは、技術的に不可能という意味と違います。

たとえば処理のまったく異なるセンサー技術などによってシフトキー押しっぱなし入力が可能になる日がこないともかぎりません。そこまでいかなくても一定時間押しつづけた段階でシフトキー押しっぱなし入力を許可する、みたいなことは今でもできるでしょう。

ここで言っているのは技術論ではなく、親指シフトの根っこの話ですね。同時打鍵か単独打鍵か、これをきちんと峻別できるのならシフトキー押しっぱなし入力を可能にするのもあり、ですが、条件を満たさずにそちらを優先してしまうのは筋が違いますよね、という話です。

神田泰典さんが伝えているのもそういうことだと思います。

したがって現状では、シフトキーの押しっぱなしで文字入力できないのは親指シフトの仕様、ウィークポイントだと、割り切って受け入れたほうがいいです。

なお、NICOLA(及びmy配列)以外の配列にかんしては経験がない(し、たぶん経験することはこの先もない)ので、ノーコメントです。(お察しください)

「愛」が伝わらないもうひとつの場合

ここで話は改めて変換キー共用型NICOLAです。

またその話かょ、と言われてしまいそうですが、じつは今回は復習編であると同時に、「レトロなキーボードが最後まで生き残った理由」に始まる、変換キー独立型(OASYS方式)・変換キー共用型NICOLAくらべて見ましたシリーズ3部作

(いつからシリーズになったんだ)

の最終回でもあるのです。

さて、

「親指、シフト一回だけの法則」が親指シフトキーボードの設計思想であり、それを外してしまうと「愛」がうまく伝わらないことが確認できたところで、

じつをいうとOASYS(変換キー独立型)では「愛」が伝わるのに、変換キー共用型NICOLAでは「愛」がうまく伝わらないというケースも出てきます。

下はいつものように愛の構図です。

いや、「あい」と打ち込んだときのキーの動きを時間軸であらわしたものです。

例によって文字[S]キーが先行しました、という仮定です。

キーの動きを時間軸であらわしたもの

文字キー[S]が先に押され、つぎに左親指キーが押され、その状態から今度は文字キー[S]が離されました。OASYSであればここで同時打鍵が成立して「あ」が確定です。いい感じですね。

しかし変換キー共用型NICOLAでは、ここでちょっと違う処理が入ります。

下の図は、実務に耐える親指シフトの処理を示した(と私が考える)日本語入力コンソーシアムの公式サイト・2000年日本工業規格(提案)にある同時打鍵遷移表です。

同時打鍵遷移表より文字キーリリースをフォーカス

文字キー[S]が先に押され、つぎに左親指キーが押されて「4)MOオン状態」になりました。ここから「当該キーオフ」、すなわち文字キー[S]が離されたので同時打鍵が成立して「MO出力1)へ」、「あ」というかなを打ち込んだことになります。

ところでよく見ると「MO出力1)へ」の下に(注3)とありますね。

この(注3)というのが変換キー共用型NICOLA特有の「文字キーリリース処理」になります。

具体的に何をしているのか、ですが、2000年NICOLA規格書によると、最初に押したキーを離した時間によって

  • time1 > time2 ならば 逐次打鍵 (下の図)
  • time1 ≦ time2 ならば 同時打鍵

と判定すると記されています。(正確な引用は「レトロなキーボードが最後まで生き残った理由」にあげていますので、興味のある方は参照してください)

文字キーリリース処理を説明

親指キーが押されてすぐに(黄色の領域で)文字キーが離された場合(time1 > time2)は親指キーの単独打鍵を考慮して、文字キーの単独打鍵を出力します。

つまり「あ」を打とうとしても同時打鍵にはならず、文字キー[S]キーの単独打鍵、「し」になってしまいます。

OASYSでは time1 > time2 で[S]が離されても問題なく「あ」になるのですが、変換キー共用型の場合ここは「あ」ではなくて「し」です。

で、のこった左親指キーは単独打鍵が確定するのかといえば、

そうはなりません。

2000年版・日本工業規格(提案)では

親指キーセットへと遷移するだけです。

ということは?

仮に左親指キーが離されないうちに文字キー[L]が押されたら、「親指、シフト一回だけの法則」が適応されその段階で同時打鍵が成立します。結果として「ぽ」を出力します。

つまり「あい」ではなく、

「しぽ」

「しぽ」と誤判定
恐怖の「しぽ」現象

極度に危険です。

「しぽ」とは何事だ、

これではジャイアント馬場さんにも「愛」が伝わらないじゃないか、

と私に言われても知りません。

いずれにしても

世界が終わるわけではありません。

OASYSだと「あい」と打てる同じタイミングで、変換キー共用型だと「しぽ」になってしまう(ことが理論上はありえる)。

だとしてもそれは極めて極端な例、レアケースであって、実用性を損ねるほどではないでしょう。

レアケースならば、わざわざ取り上げることほどのものではない、でしょうか。

「親指、シフト一回だけの法則」の項目で、

シフトしていないにもかかわらずシフトありに判定されてしまうことは、親指シフトの根幹を崩すものだと、説明しました。

ならば

シフトしているにもかかわらずシフトなしに判定されてしまうこともまた

親指シフトの根幹を崩す、とは言えないでしょうか。

いやいや、

さすがにそこまでは言いません。

というか、いちおうは親指シフターの端くれとして、そこまでは言えません。

なんといっても、変換キー共用型NICOLAが担ってきた功績、そしてその存在価値はとても大きなものがあると考えているからです。

変換キー共用型NICOLAはむしろ、親指シフトの特徴をとらえ、うまく工夫して実用性を獲得した方式だと個人的には思います。(2000年NICOLA規格書や親指ひゅんQの記述に沿った処理ならば、という条件付きですが)

それを踏まえたうえで、(OASYSとくらべて)キホン難易度は高いよね、ということは言えるかなあと思います。

変換キー共用型NICOLAというのはどちらかというとベテランさん向け、親指シフトを完全に自分のものにしている方のための手法かなあ、というのが私の意見です。

  • time1 > time2 ならば 逐次打鍵
  • time1 ≦ time2 ならば 同時打鍵

(NICOLA規格書より)

同時打鍵と逐次打鍵、ルールの異なるふたつの入力方式を使い分けしているのは事実なので、誰にでもおすすめできる手法ではないと思います。

「しぽ現象の回避」について

文字キーリリース処理の本来の目的は親指キーの単独打鍵を引き出すことなので、後から押した文字キーの同時打鍵(上の例でいえば「ぽ」)が確定したした段階で、出力の差し戻しをすれば回避できるのではないか(極めて短い時間の修正なので違和感もあまりないのではないか)と考えています。もっとも、試してみたわけではありませんが。

そういった対策の良し悪しはべつとしても、OASYSとくらべて変換キー共用型NICOLAは、ややハードルの高いタイピングが要求される事実に変わりはないと考えます。

変換キー独立型NICOLAは夢物語か

OASYSキーボードのようなタイプ、変換キー独立型NICOLAは実現するのがむずかしい、手の届かない方式だと思いこんでいる方が多いような気がします。

実をいうとOASYS方式を実現するのは、いわゆる「親指シフトキーボード」でなくても一定の条件を満たしさえすれば可能です。

理屈だけでいうと、変換キーと親指キーをそれぞれ別のキーに割り当て、文字キーリリース処理を外す、それだけで可能です。

実際には「ふつうの日本語キーボード親指シフトしてはいけない、たったひとつの理由」で説明したように、どんなキーボードでもOKというわけにはいかないのですが、変換キー独立型がけして夢物語でないこともたしかです。

また、ひと昔前までは、伝統的な変換キー独立型(と同等のレイアウトを持った)キーボードは、ほぼほぼ富士通しか販売していなかったし、それもFMV-KB613という至高の親指シフトキーボードにして、かつ

寄るな、触るな、買ってくれるな、

とネガティブ自己主張3拍子揃った外観のキーボードしかなかったので、OASYSキーボードのような変換キー独立型のキーボードは敷居が高いというイメージが強かったと思います。

FMV-KB613のレイアウト
FMV-KB613の雑なレイアウト

しかし最近はそういう大前提じたいが変わりつつあります。

キーボード界の黒船来航?

海外発の自作キーボードムーブメントに乗って最近では自由なレイアウトのキーボードを目にする機会が多くなりました。そのなかには親指シフトを期待できるものも少なくありません。

あらたな謎

とここまで書いたところで、次のような意見が聞こえてきそうです。

「いやいや、あんたの言っていることはおかしいぞ」

「親指キーと変換キーを共用する変換キー共用型NICOLAを、富士通は親指シフトの改良だと位置付けていたはずではないか」

「事実として、変換キー共用型のキーボードFMV-KB232と、japanistの組み合わせを富士通は推していた」

「あんたの言っていることは矛盾している」等々。

はい、確かに矛盾しています。

富士通は変換キー共用型NICOLAを親指シフトの改良と定義しており、事実として変換キー共用型NICOLA専用(?)キーボード・FMV-KB232を推していた、と判断できる状況にあったと思います。

FMV-KB232のレイアウト
FMV-KB232の雑なレイアウト

変換キー独立型のキーボードはコストがかかるから変換キー共用型に軌道修正した、という意見もあるのですが、事実は違うようです。

FMV-KB232の発売にあわせるかのように(と私には思えました)変換キー独立型のキーボードを大幅に値上げしたという経緯があるのです。(このとき型番がFMV-KB611からFMV-KB613に変更になりました)

すると変換キー独立型は高コスト、という理屈も成り立たなくなりそうです。

なぜ富士通はそこまで変換キー共用型にこだわったのでしょうか。

謎です。

その謎を解くためには、もしかしたら1989年のNICOLA規格成立以前にまで、時をさかのぼる必要があるかもしれません。

つづきはwebで