親指シフトはかな打ちできる
皆さんこんにちは、たそがれの親指シフター、ミツイです。
新聞配って30余年、
ではなく、
親指シフト・キーボードのとりこになって、30数年がたちました。
たそがれました。
みなさんこんにちは。ぜんぜんたそがれていない普通のOL、タカちゃんです。普通にローマ字入力してます。
自分でちゃん付けするのはおかしいですね。
それはともかく、
みなさんは親指シフトしていますか。
していないですよね。
きっと、していないですよね。
そもそも親指シフトとか、親指シフターなどといっても、なんのことかわからないですよね。
そもそも親指シフトって?
親指シフトというのは、いったいなんでしょうか。
親指シフトというのはいまから半世紀近く前の1980年に発売された、富士通の日本語ワードプロセッサ『OASYS』に採用された独自配列であり、そしてキーボードのことです。
上の図は親指キーと変換キーがそれぞれ独立して存在しますが、親指シフトキーと変換キーを共用するタイプの親指シフトもあります。
ハードウェア上の理由などから、現在では変換キー共用タイプが主流です。
親指シフトのよいところひとつ
それでは親指シフトのよいところひとつ、ご案内いたしましょう。
親指シフトのよいところ
- かな打ちができる。
これですね。
もはや決定打。
アルファベットの[S]とか[D]とか[F]とかではなくて、かなの[し]とか[て]とか[け]とか、などを直接打ちます。これがいいんです。[し]という文字を打ちこむのに、[し]という「かな」キーをいきなり打つんですよ。ヒヒ。
これを知っただけでも、親指シフトに興味を持たれる方がいらっしゃるかと思います。
もしかしたらタカさんも興味しんしんかもしれませんね。
べつに。
ところで、みなさんのなかにはこんなふうに思われる方もいらっしゃるかもしれません。
わざわざ親指シフトなんてしなくても、ふつうの日本語キーボードだって「かな」入力できるでしょ。しかもとくべつなソフトや環境を用意する必要もないわけだし。
はい、その通りです。
JIS「かな」というのを使うと、やっぱり「かな」入力できます。そのためのとくべつな環境もとくべつなキーボードも原則的には必要ありません。
それならJIS「かな」のほうがいいんじゃないでしょうか?
ですよね。
わたしも、JIS「かな」にはJIS「かな」の良さ、メリットがあるよな、というふうに思います。
それでは皆様、ハッピーなJIS「かな」ライフを。
ごきげんよう。
終わりなのかい
ということもなくて
親指シフトにも、親指シフトの良さがあるんです。
親指シフトの考え方
アルファベットは26文字しかありません。なので英語キーボードではスペースキーのうえ3段のなかに文字キー領域が収まっています。
それに対して「かな」は、たとえ濁音や小書き文字(「ょ」「っ」など)を除外しても、50音近くになってしまいます。まともに50のキーをもつ「かな」キーボードをつくったとしても、指の可動範囲が広くなってしまい、使いやすい道具にはなりにくいでしょう。
これを解決する古典的な方法として、シフトキーを使う、という考え方があります。
シフトレバーを押すことによって、おなじアームの大文字と小文字を切り替える、古典的なタイプライターの機構(とおなじ考え方)を採用したのが、現在のJISかな配列です。
たとえば数字の[1]キーを単独で押すと[わ]になり、シフトキーを押しながら同じキーを押下することで、[を]を打ちこめるわけですね。
残念ながらJISかな配列は、文字キー領域がスペースキーのうえ3段のなかには収まっていないのですが、シフト方式によって指の可動範囲を収めようという考え方は理解できますね。
ところで
親指シフトもおなじじゃないの?
と思った方、いらっしゃいませんか。
両サイドにあるシフトキーを親指で打てるよう中央に移動したのが親指シフトだと、そう思いませんでしたか?
たしかに、絵で見るかぎり、いかにも親指シフトキーが肩で風切ってブイブイいわせている、という感じがありますね。
そこまでは言ってません。
しかしヒトとキーボードを見た目で決めつけてはいけません。じっさいの親指シフトでは、親指がまったくといっていいほど自己主張しないんです。
なに言っているか、ちょっとよくわかんないですね。
でも、シフトキーを中央に移動したのが親指シフトなんでしょう?
半分は正解です。ただ、それだけじゃないんです。
じつをいうと親指シフトには、古典的なタイプライターではぜったいに真似できないような、ある工夫が隠されているんです。
その工夫をひとことでいうと、
シフトキー、先に押さんでも超OKっす。
ということですね。
それが、そんなにすごいことなんですか?
機械式タイプライターでは実現不可能です、と断言することは、もしかしたらできないかもしれません。ただ、一歩ゆずって実現可能であったとしても、コストがかかりすぎて商品化は無理だったでしょうね。
文字キーの先押しOK。
コロンブスの卵、といっていいようなちょっとした工夫ではあるんですが、機械式のタイプライターでは真似できないこの仕組みを採用したことで、ヒトにとって自然な、日常的な動作のままでタイピングすることが可能になりました。
その動きとは?
ものをつかむ
動きです。
たとえば、親指シフトのスタンダードであるNICOLA配列の場合、[L]のポジションのキーを単独で押せば「い」になります。
そして、おなじ側の親指キーと[L]のポジションのキーを、ものをつかむ、もしくは、ものをつまむような感じでポンと押してやれば、シフト側の「ょ」を打ちこむことができるようになります。
このさい、シフト、しているんです。たしかに。
にもかかわらず、(個人的に経験がある)JISかな配列との違いを一言でいいますと、シフト感がほとんどない、っていうことですね。
なので
シフトしながら「かな」を打ちこむのではなく、「お」という「かな」をダイレクトに打っているような気分になれるんです。
でもそれって、ただの錯覚なのでは?
はい、錯覚です。
ただそういう素敵な錯覚は、JISかな入力ですと、なかなか味わうことができないんですね。
そんなもんですかね。
タカさんはあまり興味がなさそうですね。
じゃ、私も親指シフトしたほうがいいと思いますか?
いいえ、「一般論としては初心者には親指シフトをおすすめしない」、というのがこのサイトの考え方です。親指シフトをおすすめできるかどうかは個別の事情によりますが、雑多な知識が必要になることが多いのは、確かなので。
でも世の中には「かな」入力というものがあって、「かな」に近しい入力方式として親指シフトというものがあることは、知識としてでも知っておいてくれたらうれしいなあと思います。
ということで本日は、親指シフトはかな入力であるということを、ご案内いたしました。
それでは皆さま、ごきげんよう。